◆一点突破
戦略経営者11月号に『一点突破 商圏・客層・商品を絞り込む経営』特集が掲載されていました。
滋賀県のナンバーワンビルダーは商圏を本社から車で30分圏内に絞込み、ターゲットは25〜35歳のサラリーマンに特化。新築着工件数が8年連続地域ナンバーワンで、商圏内の土地売買業のシェアは88%もあるそうだ。
群馬県の家電販売店は商圏を本店から半径3〜4キロ以内を重点として、御用聞き営業に注力して固定ファンを着実に増やし、新規客が月に30件以上のペースで増えているとのこと。
また、東京の旅行代理店障害者や高齢者にターゲットを絞ったパッケージツアーを企画・催行してリピーターを増やすことに成功している。
記事を読むとどの会社もどこの、誰に、何を、どうやって提供するのかを明確に絞っていることが分かります。
商圏を広げずに、大手とは差別化をはかり、勝てる市場を探し、「どこの」「誰に」「何を」提供して、「どうやって」商売をするのかを明確にして、エリア内で1位企業になり、シェアを伸ばす・・・・まさに
ランチェスター経営戦略の弱者の戦略論に則った経営ですね。
実は私が最初に出版した時も、強者とは差別化してタイトルや内容を決めました。
ビジネス部門での「経営戦略」「ランチェスター」「マーケティング」「営業」「マネジメント」といったカテゴリには強者がたくさんいます。
世の中には有名コンサルタントやトップセールスマンがたくさんいらっしゃいますからね。
だから、こういったカテゴリで本を出しても「勝てない」と考えました。
どこなら勝てそうか?
そこで選んだのが「広告」というカテゴリだったのです。
このカテゴリだと有名経営者や有名コンサルタント、著名マーケッター、トップセールスマン、大手企業の管理職経験者といった人と戦わずにすむ、そう思ったのです。
そして、他の本との差別化ポイントとして心理学を付加しました。
だから、本のタイトルが「広告宣伝心理術」(日本能率協会マネジメントセンター刊)となったのです。
商圏を広げずに、大手とは差別化をはかり、勝てる市場を探して書きました。そのおかげで有名でも、著名でもないド田舎に住む私が書いた本が今でも増刷が続いていて、さらに新刊のお声掛けまで頂けているのだと思います。
商品を販売するのであっても、スタッフを指導するのであっても、お客さんと交渉するのであっても、どの業界にも必ず強い競争相手が存在します。
「オレは強い相手と戦って勝つのが好きなのだ!大きな市場で、幅広く、勝負する!」
そういうタイプの方は正面からガチンコで勝負を挑めば良いでしょう。
これは経営戦略で言うと強者の戦略です。
でも、こちら側の経営資源や戦力が客観的に見て相手に劣っているのであれば、
「戦わずして勝つ、勝ちやすきに勝つ。市場を絞って、特化する。」
のも優れた経営の戦略です。
これは経営戦略で言うと弱者の戦略です。
もちろんどちらを選ぶからはあなた自身が決めることです。
そして、どちらの戦い方を選ぶにせよ、経営戦略論については会社の規模を問わず、経営者自信がその知識を身につけておく必要があります。
戦略論の知識がなければ、やみくもに戦うしかないのですが、
商売の戦場はやみくもに戦っても生き残りは厳しい場所です。
さて、あたなの会社やお店には戦略がありますか?
PS.
小さな会社やお店のランチェスター経営戦略論
http://www.middleage.jp/lanchest/index.html
(今日の商売とビジネスに役立つ格言)
『事業を左右せよ。事業に左右されるなかれ。』
(フランクリン)