「ある部分での『弱み』が、別の部分での『強み』をもたらしているということは、優れた戦略がしばしば含んでいる因果論理なのです。」
(「ストーリーとしての競争戦略」楠木建著 東洋経済)
◆弱みが強みにつながる
私はネットでDVDやEbookを販売してます。
ネットでは数値で反応が計測できるので「能率性」を重視します。
例えばキャッチコピーの記事を書いても、反応が無ければ、その記事を書き続けることはしません。
お金をかけない販促ネタの記事を書いても、反応が無ければ、その記事を書き続けることはしません。
サイトの見出しを変えても、反応が無ければ、その見出しを使い続けることはありません。
ネットで商売を続けていると効率性を追い求めるようになります。もっと、簡単に言うと
「無駄なこと(=反応の無いこと)」はしたくなくなります。
だから、私のメルマガの記事文末の格言や、メルマガ文末のひと言欄は効率性の面から言うと無くても良いのです。直接、その文章からDVDやEbookは売れませんから。
でも、この格言を無くす、あるいはひと言欄を数行にする、ことは効率性の面から考えると「無駄」なのですが、実際に格言を無くす、あるいはひと言欄を数行にすると、酒井とし夫の強みが無くなるのです。
分かるかなあ・・・この感覚。
たとえば、地元の公民館の会合とか行くとするじゃないですか。
するといつも、年配者の意味の無い質問、ピントのぼけたやり取り、不毛な議論、かみ合わない意見交換が延々と続くわけです。
でも、こういう場で会合を進行する会長さんが「では、こんな感じでどうでしょう。」と、方向性を示すと、
「まあ、じゃあ、そうすんべ!」とまとまることがあります。
その時の会長さんって「理論的なこと」や「能率的なこと」や「理屈として正しい」ことを述べて、参加者を説得するのではないのです。
日頃、地域内の公共の場所に伸びた雑草を人知れずせっせと刈っている会長さんや、地域で困りごとがあると損得考えずに動いてくれる会長さん、宴会で司会をして場を盛り上げて、宴会中にちょっと酔って一節うなる会長さんが「言う」ことだから、「まあ、じゃあ、そうすんべ!」となることが多いわけです。
何のトクにもならない公共の場の草刈や悩み相談、飲みニケーション、という一見すると「ムダ」に思えることが、「会長さん全体」の強みになっているわけです。
冒頭の引用文で「ある部分での『弱み』が、別の部分での『強み』をもたらしている」とありますが、企業でもお店でも一見すると部分部分では弱みやムダに見えるものが、実はその会社やお店全体の強みの一部になっていることがあります。
例えば、店内の1席当たりのスペースを広くする、回転率を求めないことは他社から見れば弱みやムダに見えます。一人ひとりの患者さんの話を丁寧に聞く医療スタッフの態度は効率重視の競合から見れば弱みやムダに見えます。でも、その弱みや無駄が会社やお店、組織全体では強みになっていることがあるということです。
社長や店長はつい他社の効率の良い面ばかりを見て、それを取り入れて、模倣しますが、実は効率の悪いことに「見えない強みの原因」があることが多いのです。
世の中にもあなたにも私にも案外「ムダは無い」ということです。
PS.
小企業の経営戦略 〜小さくとも利益性の良い会社にする戦略とは?〜
http://www.middleage.jp/lanchest/takeda/syokigyo_strategy.html
(今日の商売とビジネスに役立つ格言)
『自分から逃げれば逃げるほど、生き甲斐も遠ざかる。』
(淡谷のり子)
10秒で分かる!今日のキャッチコピー
何事も上達の近道はお手本を学ぶこと。マネぶことです。
キャッチコピーの作成も同じです。そこで、毎回、1本ずつ新聞、チラシ、
雑誌、書籍タイトル等で見つけたキャッチコピーと、そこに隠された
読み手の興味を引く理由や心理を紹介しますので、
あなたのキャッチコピー作りの参考にして下さい。
今日の10秒で分かるキャッチコピー
↓ ↓ ↓
『手軽に自宅で本格○○』
手軽と本格は対照的な言葉。
そして、巣ごもり消費者を刺激する自宅という言葉。
短いけれど考えて作られているキャッチコピーです。
「手軽に自宅で本格エステ」
「手軽に自宅で本格脱毛」
「手軽に自宅で本格料理」
「手軽に自宅で始める本格的な副業」
「手軽に自宅で始める本格的な家庭菜園」
といった応用ができます。
PS.
売れるキャッチコピーには理由がある!
あなたにも書ける売れるキャッチコピーの書き方は
こちら。